大地からの恵みⅡ作品紹介(五味謙二)

五味謙二

1.彩土器1 2024年
w23.4 d18.7 h28.6                                                                            154,000円

彩土器1

2.彩土器2 2024年
w27.9 d33.1 h31.4                                                                            198,000円

彩土器2

3.彩土器3 2023年
w24 d30 h38                                                                                242,000円

彩土器3

4.彩土器4 2024年
w26.0 d32.1 h38.0                                                                            253,000円

彩土器4

5. 彩土器5 2023年
w30.0 d25.9 h34.0                                                                            253,000円

彩土器5

6. 彩土器6 2023年
w27.0 d39.4 h41.0                                                                                    330,000円

彩土器6

7.彩土器7 2023年
w49 d27.3 h79                                                                          605,000円

彩土器7

8.shi-tou「モモ」 2023年
w58.5 d59.0 h80.0                                                                              1,320,000円

shi-tou「モモ」

9.UBU 2023年
w45 d39 h133 cm                                                                            1,320,000円

UBU

大地からの恵みⅡ作品紹介1(三原研)

弦(げん)1                                                                               2024年
w36.5 d21 h64.5                                                                       990,000円

弦(げん)1

弦(げん)2                                                                         2024年
w31 d20 h57.5                                                                       770,000円

弦(げん)2

瑞(みず)1                                                                          2024年
w32.5 d25 h26.5                                                                     605,000円

瑞(みず)1

醒(せい)1                                                                          2023年
w52 d15.5 h59                                                                       935,000円

醒(せい)1

久遠(くおん)                                                                        2018年
w32 d24.5 h50.5                                                                     715,000円

久遠(くおん)

瑞(みず)2                                                                         2024年
w46.5 d28 h23                                                                       770,000円

底に奥く金具で高さを変えれます。

瑞(みず)2

醒(せい)2                                                                           2023年
w47 d16.5 h55                                                                      825,000円

醒(せい)2

景(けい)                                                                           2016年
w46.5 d36 h60.5                                                                     990,000円

景(けい)

鼓動(こどう)                                                                        2012年
w36.5 d31 h38.5 cm                                                                    770,000円

鼓動(こどう)

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メール info@gallerysuki.com

までご連絡下さい。

伊藤慶二 絵画展のテキスト 豊田市美術館 館長 高橋秀治

伊藤慶二の絵画作品

伊藤慶二は、日本陶磁協会賞金賞を受賞するなど陶芸家として高く評価され、若手の陶芸家たちからも慕われている。

しかし最初から陶芸を志したわけではなかった。

少年時代から絵を描くのが好きで、武蔵野美術学校に入学して油絵を学んだ。

しかし絵画を学んだものの卒業後も東京に住みながら絵の道を追い求めようとはしなかった。

それは、「美術学校卒業の時点では絵では生活していけるとは思えなかった」「都会の暮らしにもなじめなかった」という。

これは昭和30年代に入り戦後の混乱期が収まってきたとはいっても、社会に対してどこか信じきれない頼りなさを感じていたからではないだろうか。

10才になって敗戦を迎え、それまで軍国教育を受けていたわけであるから、大人が教える価値がひっくり返る様子を目の当たりにして、

子供ながらに社会を懐疑的に見るような覚めた思いがあったのかもしれない。

そうして郷里に戻ったところで、美術学校へ行く以前から絵の仲間として交流のあった同年の加藤孝造から誘いもあって、岐阜県陶磁器試験場デザイン室に勤務することになった。

ここでの伊藤の最初はデスクワーク中心であったが、それだけでは満足できず自ら土と対峙し、素材を知り、焼き物の技術をマスターしていった。

当時陶磁器デザインの先駆者として各地で指導を行っていた日根野作三が多治見にも定期的に訪れていて、その指導を受けるようになって大きな影響を受けたという。

日根野からは必ずペーパープランから始めることを学んだという。

それは、彫刻にしても絵にしてもデッサンを基礎とするように、焼き物による立体もデッサンをすることを基本とし、現在まで続けているのである。

日根野作三の影響からクラフトの器を作り日本デザイナーズクラフトマン協会の展覧会に出品するなどしたが、そうした団体展との関りは長くは続けていない。

それは地元の美濃陶芸協会でも発足に参加しても数年で脱会しているように基本的に独立独歩を貫いている。

それは声高に叫ぶでもないが、制作活動は常に主体が自分であって外の価値観に合わせることではないということだろう。

今回の個展は、絵画作品だけで構成される。

美術学校在学中の油彩から近作まで、画家としての回顧とも言えそうである。

展示の構想で重要な主題のひとつは、《HIROSHIMA》《Nagasaki》《チェルノブイリ》というモノクロームの作品群であろう。

これまでの焼き物による《面》や《足》、またそれらを含んだインスタレーションには、「祈り」があると言われてきた。

その祈りが平面作品では、人物の顔を描いた作品と核による災禍の記憶をとどめるシリーズに現れている。

結果、陶による作品と絵画とをやすやすと往還し、《面》などのテクスチュアが油彩で描かれたマチエールとどこか通じていることが感じられる。

伊藤自身は核の災禍を直接的に被ったわけではないけれど、これらには祈りだけではなく、人間存在を脅かすものに対する静かな憤りも込められているといってよい。

先にも述べたように、彼らの世代は軍国教育を受けた少年時代の日本の空気と敗戦後の混乱とがないまぜになって、その制作活動にどこか陰を落としているのではないだろうか。

それは核の災禍がなかったことのように扱われていくこの国のあり様に対しての異議申し立てであり、作家自身の不安な心情を落ち着かせているものかもしれない。

伊藤にとって絵画作品は、クラフトに始まり焼き物の器からやがてオブジェを手掛け、また、インスタレーションによる空間構成などと並行して、

あるいは往還しながら制作を続けてきたその出発点であり、人から何者かと決めつけられることへの言葉少なの抵抗と回答と彼の存在証明になっているともいえる。

さらに言えば、そうした外の価値観に迎合しない生き方が美濃の若手の作陶家たちから慕われる所以であろう。

豊田市美術館 館長 高橋秀治

25周年企画 伊藤慶二 絵画展の開催のご案内

25周年企画

伊藤慶二 絵画展

2024年9月7日(土)-9月23日(月・祝)
10時-18時
祝日を除く月・火休廊

オープニングパーティー
9月7日(土)18:00〜20:00

※オープニングパーティーのご参加は無料ですがメールで事前登録をお願い致します。

メール info@gallerysuki.com まで

25周年企画 
伊藤慶二 絵画展

 

25周年企画 大地からの恵みⅡ 会場風景紹介

25周年企画

大地からの恵みⅡ

会場風景を紹介します。

五味謙二
1階ギャラリー1前側
伊藤慶二
1階ギャラリー1奥
松永圭太
1階ギャラリー3
阿曽l藍人
2階ギャラリー2右側
三原研
2階ギャラリー左側

アーティストトークを開催しました。

五味謙二 伊藤慶二 松永圭太 阿曽藍人 三原研

多くの人に聞きに来ていただき感謝致します。

ギャラリー数寄 25周年企画「大地の恵み II」によせて 齋藤智愛(岐阜県美術館学芸員)

ギャラリー数寄 25周年企画「大地の恵み II」

ギャラリー数寄は開廊から25周年を迎え、やきものを中心とした展覧会を数多く開催してきた。東海地区のみならず若手からベテランまで幅広い作家たちを紹介し続けている。

現代においてやきもの、土を素材とする造形表現は多種多様である。戦後の「オブジェ焼き」の出現から半世紀以上たつが、やきものの姿は変化し続けている。自らを取り巻く環境や社会との関わりが個々の思想を構築し、それらが造形と結びつくことで表現となる。近年は陶作品をつくるにとどまらずそれを用いてパフォーマンスをする作家、土による造形過程の中で発生する現象を分解し再構築する作家たちも現れている。

25周年記念となるこの展覧会は2019年の「大地からの恵み」第二弾として企画され、伊藤慶二、三原研、五味謙二、阿曽藍人、松永圭太の5人が出品する。

大地が育んだ土、人が発見した火が出会い、やきものが生まれた。太古より続くこの行為と純粋に向き合う作家たちの表現を楽しみたい。

伊藤慶二は人の顔に心情を、手や足、仏に祈りをかたちとして起こしていく。伊藤の手によって土が人となった《面》シリーズは開かれたその目で世界を眺め楽しんでいるようである。反戦への強いメッセージを焼き締めた土、微笑む顔、世界を測るための尺度など、どれをとっても「人間のこと」なのだ。気持ちよく、真っ直ぐに生きるー伊藤の作品はユーモアを含みながら、日々を大切に過ごすための道を指し示してくれる。

三原研は出身地である島根県出雲市にアトリエを構え、制作を続けている。洗練されたフォルムは月や雲、風など自然をイメージさせる。焼成を繰り返し土肌に黄や橙、白などの色を与え、山々の地肌、肥沃な田畑を彷彿とさせる風景を描き出していく。自身の中に蓄積したきらめきを土に組み込み、出現させる。これらはまるで神具のようであり、神々の意志を地上におろしたかのような神器でもある。出雲の地に根を張り、心を耕す人々が神に捧げる祈りそのものではないだろうか。

五味謙二は柔らかな土を少しずつ積み上げながらボディを作る。柔らかく膨らんだ形が入り組み、寄り添い、顔や体、足となって一つの生命体として立ち上がる。化粧土が施された肌合いは繊細な色の移ろいを持つ太古の衣装を身に纒うかのようだ。チャーミングでありながら、中にはいかめしい風貌をもつ存在。その佇まいは人に優しく寄り添う大地の精霊のようでもある。

阿曽藍人は野焼きによるドローイングとも言える表現を試みている。土によるキャンバスを作るため薄く平面状に、またはごくシンプルな球体を成型し、藁や籾殻など自然物で焼成する。炎で焼かれることにより赤や茶など土色を呈し、黒煙を吸い込み重層的な黒の世界へと変貌していく。原始に生み出されたやきものかたちは阿曽の新たな解釈によりタブローへと確立されていくだろう。

松永圭太は原土を水で攪拌し、比重により分離した泥を型へゆっくりと段階的に流し込むことで層による成型を行う。土を錬りあげ粘土でかたち作るが、泥漿を流し込むという磁土の成型技法を応用している。松永は土との関わり方を根本から見つめ直し、従来の成形方法を分解し、再構築させている。

過ごしてきた環境、社会との関わり、時代や世代によって土への向き合い方は変化し続けている。とはいえ、土であること、火でやくこと、この行為は決して変わることはない。陶芸家として世界と接続し、土と手を組み作品を生み出し続ける作家たち。我々、鑑賞者もまた作家が表す世界をみるために心を養い続けなければならないのではないだろうか。五感を研ぎ澄まし、時には第六感を開眼させ世界を大いに味わいたい。

ギャラリー数寄のオーナー佐橋氏は根っからのやきもの好きだと確信している。きっと今日も明日も、あちらへこちらへと作家、作品との新たな出会いを求め自らの足で歩いているだろう。ギャラリー数寄に集う人々もまたスキモノ揃いであろう。大地から、作家からの恵みに感謝して、ここに集いたくさんの人と語り合いたい。

齋藤智愛(岐阜県美術館学芸員)

 

25周年企画 大地からの恵みⅡの開催のご案内

25周年企画 大地からの恵みⅡ
伊藤慶二 三原研 五味謙二 阿曽藍人 松永圭太
2024年8月3日(土)-8月25日(日)
10時-18時
祝日を除く月・火休廊

アーティストトーク
8月3日(土)18:00〜18:30

オープニングパーティー
8月3日(土)18:30-20:00

※アーティストトーク、オープニングパーティーともにご参加は無料ですがメールで事前登録をお願い致します。

25周年企画 
大地からの恵みⅡ